「木綿のハンカチーフ」=「忘れられない恋」!?美しい歌詞の意味は?現役国語教師の歌詞考察!国語の教科書に載せて!

国語教師の歌詞考察

令和の時代に一番カバーされている昭和の名曲「木綿のハンカチーフ」。その時代を超える歌詞の美しさを現役国語教師が徹底解説!!

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こんなあなたに!

・「木綿のハンカチーフ」の歌詞について詳しく知りたい人!

・歌詞を教材にしたい学校の先生!

・昭和の曲を愛する皆様!

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これは本当に名曲ですね。そして、国語の教材にも使えそうです!

もくじ

1、「木綿のハンカチーフ」とは?

2、現役国語教師の歌詞考察

3、まとめ これは時代を超えて人を惹きつけるわけだ

1、「木綿のハンカチーフ」とは?

「木綿のハンカチーフ」は1975年(昭和50年)に発売された太田裕美の曲。

作詞は松本隆、作曲は筒美京平という昭和歌謡ゴールデンコンビです。

2000年代に入ると再評価され、ほぼ毎年誰加がカバーしてリリースしているような状態になっております笑

最近では、橋本愛が人気YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でも披露しているほか、エレファントカシマシの宮本浩次がカバーしています。新進気鋭のシンガーソングライター藤井風もYouTubeでカバー動画をアップしていますね!

少し前になりますが、椎名林檎やスピッツの草野マサムネもカバーしています。

とにかく、その楽曲のクオリティの高さに惹かれるシンガーの多いこと!

何がそこまで、人を惹きつけてやまないのか、現役国語教師がその魅力を徹底解説します!!

2、「木綿のハンカチーフ」現役国語教師の歌詞解説

さあ、本日も参りましょう!現役国語教師の歌詞解説!

①時代背景のチェック

今日はまず、小説や詩の読解の時もよく使うテクニック、「時代背景のチェック」からいきましょう!

1975年は昭和50年。当たり前ですが、今のようにスマホなんてない、むしろ携帯電話すらない時代。

恋人との通信手段は固定電話か手紙です。

遠距離恋愛がどれだけ大変だったかということがこれで少しイメージできる気がしますね。

②タイトルは究極の要約

タイトルももちろん見逃せません。

木綿とはいわゆるコットンのことです。ハンカチーフはハンカチのこと。

ハンカチの素材は、コットンかシルクが多いです。シルクの方がお高め。

つまり木綿のハンカチーフとは特別な肌触りのハンカチではなくて、素朴なハンカチなんですね。

そんなハンカチを「最後のわがまま」に贈り物としてねだる女性。そしてそれがタイトルになっている。

シンプルなタイトルですが、よく考えると意味がありそうなタイトルですよね、、、。

そんなタイトルの秘密については最後に考えてみましょう!

③歌詞の意味を考えてみましょう!

恋人よ ぼくは旅立つ 東へと向かう列車で

はなやいだ街で 君への贈り物 探す 探すつもりだ

歌詞より

まずは男性パートです。

「恋人」なので、正式に付き合っているふたりですね。「東」は、次の「はなやいだ街」からもわかるように東京でいいでしょう。

地方から上京する男性。きっと期待で胸は膨らんでいるでしょう。そこで恋人への贈り物を探す。

明るい曲調と相まって、ここまでは青春ソングっぽさがある。

だって、期待に胸膨らませて向かう東京で、君に贈り物を探すよって男性。なんて健気なんでしょう(ハート)

でも、この後の女性パートが「いいえ」で始まるからこそ、この曲は名曲なんですね。

いいえ あなた 私は欲しいものはないのよ

ただ都会の絵の具に 染まらないで帰って 染まらないで帰って

歌詞より

男性の「贈り物探すよ」宣言に対し、「欲しいものはない」という女性。

この部分で男性と女性の考えにズレがあります。

このズレが、この曲の歌詞のポイントだと思います。

「都会で君に贈り物を探すよ!」と期待に胸弾ませながら話す男に対して、女性は「いいえ あなた 私は欲しいものはないのよ」と返す。

さらに「都会の絵の具に 染まらないで帰って」と願う。

都会の風潮や考え方、そういうものに染まらないで、と。

ここで浮かび上がるのは「男性の幼さ」であり「それに対する女性の不安」です。女性の方が精神年齢が上なんじゃないかなーって思います。

恋人よ 半年が過ぎ 逢えないが泣かないでくれ

都会で流行りの指輪を送るよ 君に 君に似合うはずだ

歌詞より

男性パート。半年が経ちました。

このタイミングで都会で流行っている指輪を送る男子。(男性より、男子の方が合っている気がする笑)

半年って、、、遅くね?もっと早く送るべきなんじゃ、、、。

だって、4月に上京したとして、10月になっちゃってんだよ?

ここにもこの男子の自己中心的なところが見える気がします。彼女のこと、後回しなんじゃ、、、。

さぁ、こんな男子に対し、女性はどういう反応か??

いいえ 星のダイヤも 海に眠る真珠も 

きっとあなたのキスほど きらめくはずないもの きらめくはずないもの

歌詞より

またも「いいえ」です。欲しいものは「都会で流行りのもの」や「宝石」などの物質ではなくて、あなたに逢うこと、キスをしてもらうこと。

「贈り物をくれるんじゃなくて、帰ってきて欲しいな」。そんな気持ちでいる。

恋人よ いまも素顔で くち紅も つけないままか

見間違うような スーツ着たぼくの 写真 写真を見てくれ

歌詞より

男子パート。「帰ってきて欲しいな」と彼女が思ってるのに、イメージダメ出しが炸裂。笑。

この部分には、「都会の女はみんな化粧して綺麗にしてるぞ?」という意味が含まれているように感じます。それに比べてお前はまだ「口紅もつけないのか?」=「田舎者だな」と。

さらに、「オレ、かっこよくなったっしょ?見て見て!」とスーツの写真を同封。

このあたりで、女性の「男性の幼さに対する不安」(=「都会の絵の具に染まりそうこの人という不安」)が的中し始めるんですね。

いいえ 草にねころぶ あなたが好きだったの

でも木枯らしのビル街 からだに気をつけてね からだに気をつけてね

歌詞より

女性パート。安定の「いいえ」笑。

「草にねころぶあなた」はまさに素朴な姿。そんな素朴な姿が好きだったということは、

今の都会の絵の具に染まってしまったあなたは好きではない、ということ。

それでも、冷たい風が吹く都会で「からだに気をつけてね」と気にかける。

いい、大人の女の人だ、、、。

でも、もう、このパートでは「逢いたい」という気持ちは歌われていない。

「都会のものより、宝石より、あなたのキスの方がきらめく」とまで言っていたこの女性が、

「からだに気をつけてね」だけって。

当初からこの女性だけが感じていた気持ちのズレはもうここにきて修復不可能になってきてしまっているのではないでしょうか。

そして、ここでちょっと考えたいことは、女性パートの歌詞はこの男子に対して「言ったこと」なのか「思ったこと」なのかということです。

これは「思ったこと」でしょう。

「都会の絵の具に染まらないで帰って」も「あなたのキスほどきらめくはずない」も「草にねころぶあなたが好きだった」も実際に男子に言ってはいなくて、心の中で思っていること、ということです。

なぜなら、男子に女性の気持ちが一切伝わっていないから。

「都会かぶれにならないで」も「帰ってきて欲しい」も「モノよりあなたとの時間が欲しい」も「ちょっと幼いけど、あなたが好き。」も、

男子は理解していない!!!

悲しいことに、その理解していないことも、女性にはわかってしまうから、「都会で流行りの指輪」の時も「スーツ姿」の時も、男子が喜ぶように「うんうん」って話を聞いて、「ありがとう」とか「かっこいいね」って返事したんじゃないかなあ。。。

そして、気持ちが冷めてしまってきているけれど、からだのことも気遣って。

いいお姉さんなんだけど、相手の気持ちを優先してしまって、自分の気持ちに正直になれずに、いいお姉さんでいてしまうような女性の性格が感じられます。

そして最後のパートです。

恋人よ 君を忘れて 変わってく ぼくを許して

毎日愉快に 過ごす街角 ぼくは ぼくは Ah 帰れない

歌詞より

男子パート。

この男子、「君を忘れて 変わってくぼくを許して」とか言ってます。

どーせ、感傷に浸って、「ごめん、、、。」とか思ってるんでしょうけど、お前が気づくよりも先にもうゲームオーバーなんですぅ!!この鈍感野郎!!

勝手に愉快に都会で暮らせ!いい女を失ったなお前は!逃がした魚は大きいぞ!!

あなた 最後のわがまま 贈りものをねだるわ

ねえ 涙拭く 木綿のハンカチーフ下さい ハンカチーフ下さい

歌詞より

女性パート。ここで最後にして初めて「いいえ」がなくなります。

なぜなら、気持ちが重なってしまったから。恋の終わり、という。「いいえ(違う)」と否定する必要がなくなってしまった。

そして、このパートで、女性は初めて自分の気持ち、感情を表現しています。

「わがまま」、「ねだる」、「涙」これまでにはなかったものです。

その、感情が溢れたのはなぜか?

これは男子が恋の終わりに気づいたからだと思います。

逆説的ですが、この男子がいつまでも鈍感お気楽に都会から彼女に連絡して来ていれば、この関係は続けることができたんです。

でも、もう自分の気持ちが変わっていることに男子が気づいてしまった。

この時点で、この二人の関係は終わってしまったのですね。

この女性は、やはりこの男子が好きだったんだと思います。

幼いし、こっちの気持ちはわかってくれないような人だけど、それでも惹かれていた。

「あの人のいいところは私が一番よく知ってるんだ」

この気持ちが、恋ってものでしょう?

だから、女性は「最後の」わがままをいうんです。

そしてその内容が「木綿のハンカチーフ下さい」なのです。

「木綿のハンカチーフ」とは「素朴な日用品」です。

その素朴さは「私が好きだったあなた」であり、それで「涙」を拭く。

そして、ハンカチは一回限りで捨てるものではないから、それをねだるということはきっとこの恋を忘れたくないのでしょう。

この女性にとって、この恋は「忘れられない恋」になったのでしょう。

「木綿のハンカチーフ」=「忘れられない恋」ということで、

国語教師の歌詞考察、お後がよろしゅうございます。

3、まとめ これは時代を超えて人を惹きつけるわけだ

いかがでしたでしょうか??

お互いの気持ちのズレを繊細に描き出しながら、人を想うときのもどかしさや、すれ違いを表現しているとても美しい歌詞だと思います。

それが希代の作曲家であった筒美京平のあえて明るく美しいメロディに乗っかっている。

とても幸せで、切ない曲だなと今回改めて思いました。

楽しんでいただけたなら幸いです。

他にも歌詞考察やってますので、よかったらぜひ、ご覧ください!

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